アニメは「アニメ」である

「原作」という見方からも、「メディア」という見方からも、アニメはさまざまなものの集約点であるといえる。

闇鍋状態

「原作」からアニメを語る試みはべつだん珍しいことではないが、おしなべてそれは原作の地点からアニメというものを語っている。ここでは、アニメの地点から原作を見はるかそうと思う。
 するとどうだろう。アニメの対岸には、やがてアニメの一点に集約されるべき原作の群れが拡散しているのが見える。漫画をはじめとし、ライトノベル、テレビゲーム、パソコンゲーム。。。これらさまざまな形式はやがてアニメという一点に収斂されるのだ。
 それに加え、オリジナル企画の存在。原作を持つ持たないにかかわらず、それらはすべて「アニメ」なのだ。
 小説と漫画は似て非なるものだ。しかしその似て非なるものをいとも容易く一緒くたにするのがアニメなのだ。
 つまり、原作という観点から考えるなら、「アニメ」とはさまざまな芸術様式が集まっている場なのだ。

「テレビアニメ」という括りは、もう古い!?

 最近まで、わたしはテレビアニメを語ることに固執していた。しかし、そもそも「テレビアニメ」なるものに実体はあるのか? と疑い始めた。
 たとえば、金曜ロードショーで放映されるジブリ映画は「テレビアニメ」とはいえないのか? アニメ専門チャンネルで放映されるOVAはどうだろうか?
 メディア間の垣根は意外と低い。もう「テレビアニメ」「劇場アニメ」「OVA」という括りは古いのかもしれない。
 それは「番組」でもないし「映画」でも「作品」でもない。「アニメ」というしかないのだ。